バルーンオールができるまで「5.特許関連」

『実用新案』申請をめざして

オリジナル商品の模倣を防ぐために、特許等で守っていくことは大切です。

今回は、現在制作中のベビー服の実用新案を申請するところまでに私がやったこと全てを公開します。なぜ特許ではなく実用新案の取得にしたのかも紹介しますね。

前回までに縫製メーカーが決まったことをお伝えしました。

縫製メーカーさんはベビー肌着を長年作り続けていたメーカーなので、ベビー服に関しては熟知しています。ですので、新生児服のサイズのこと、縫製仕様のこと、ベビー基準のこと、ノンホルマリン製品の生産のことなど全て分かってくれているので、安心安全な商品を作ってくれると思います。

ですので、ベビニティーズで作った試作品と型紙と縫製仕様書を渡して、メーカーさんに試作してもらいます。モニター調査もまた必要です。この作業は何回か繰り返されますので、その間、『実用新案』の申請を平行してやっていきます!

私は以前、メーカーの企画担当でしたので、特許出願をした経験があります。一時期に6個の特許出願をしたこともありました。

でも、当時会社には特許専門の部署があり、その担当者に機能性に関する説明をすれば、相談にのってくれました。その後は弁理士さんが書き上げてくれたものを、私はチェックのみという、めちゃめちゃ楽ちんな出願でした。当時の私は、出来上がったあの独特な文章を読み解くだけでも一苦労でした。

それなのに今回は、手伝ってくれる技術担当も特許担当も、そして弁理士さんもいません。全て私一人でできるだけお金を掛けずに書き上げる決心を固めてます。ふぅ~。

私一人で申請する上で権利関連の作業だけにあまり時間もとれません。1ヵ月程度で作業を完了したいと思います。そして早く取得して販売の際に使用したい、などなどその他いろいろ考えて、特許ではなく今回は「実用新案」を取得することにしました。


「知的財産総合支援センター」の無料相談

 以前の会社でも特許庁のホームページに行って、今考えてる企画内容が他社の特許に侵害していないか、今考えている機能性が特許性があるのかどうか、調べた経験はありましたが(これは企画の仕事だった)、あれから何年も経ちすっかり忘れてしまったので、一から勉強し直しです。

検索の仕方、フォーマット、書類の書き方、スケジュール、そして費用等をアドバイザーの方から教えてもらい、自宅に帰ってさっそく検索です。

全ての特許&実用新案を検索

ベビー服に関する全ての特許&実用新案を検索してみると、簡単にお着替え&おむつ替えできるベビー服に関する出願が結構あることに驚きました。     やっぱり、この不便さを克服することに必要性を感じている企業は多いんですね。                そんな中でも私が考えた内容と同じようなものは無く、これはいけるんじゃないか!と実感しました。

機能性ポイント・請求項を決める

様々な他社の特許や実用新案資料を読み込み、どの機能性をポイントにするか、請求項はどんなことにするかを考えます。(このときは認識してなかったのですが、この請求項の数によって金額が異なるのでした)

何を目的に作られたものなのか、もともとある製品はどんな不具合があるのか、それを解決するためにどんな構造にしているのか、そこに使われている付属物はどんなものが考えられるのか、などなど基本的なことを整理してまとめ、あとはこの独特な言い回しを使いながらなんとか書き上げました。なるべく汎用性のある言葉遣いもこだわります。

図面と部位に番号を付け説明文追記

図面の機能性の箇所に番号をつけ、それを使って構造や機能性を説明します。

(実は私はこのとき、番号を付けるところで書き方に不備があったようで、提出後に「手続き補正書」が必要になってしまいました。しかもその書類内容の意味が分からず再度アドバイザーの方に聞きに行き何が不備だったのか確認しなければなりませんでした)

内容チェックと手続きの仕方確認

何とか書き上げ、再度アドバイザーの先生のところに持って行き、疑問点を確認し、手続きの仕方を再度しっかりと教えてもらいました。(ここで間違えたらやり直しなので滞りなく全ての提出物を確認しないといけませんね)

<手続きに必要な出願料>

 ※実用新案は出願時に3年分の登録料が必要です。

 請求項:4、枚数:8枚の場合

 ●出願料:14,000円

 ●3年分の登録料:(2,100円+4(請求項の数)×100円)×3年

<電子化手数料>

これは、初めて知ったのですが、書類で提出したものを工業所有権電子情報化センターでデーター化する費用が必要です。オンラインで出すことも可能だそうですが、もっともっと面倒だと言われ断念しました。私としては、なんか疑問を感じつつもこれを支払わないと申請できないため手続きしました。

 ●1,200円+8(枚数)×700円

これらを郵便局で特許印紙にして添付して特許庁に送ります。

郵便局にて投函

全て封筒に入れ、返信用封筒(切手を貼り)を入れ、投函しました。

不備が発覚

ほどなくすると、図面に不備があったという内容の書類が届き、「手続き補正書」を提出することになりました。けれどもその不備内容の意味がわからず、再度アドバイザーのところに行って相談してきました。結局は図面内に注釈を入れているのですが、その番号の付け方に問題があったようです。

そしてこれにも「電子化手数料」を支払う必要があるとのことでまた支払うことに。

何かと費用が必要になることと、書類内容が読み解きにくいこと、これにはやっぱり違和感ありありでしたね。

登録書が届く!!

申請してから、いろいろ補正したりしていたので、約4ヵ月経過後、遂に『実用新案登録証』が届きました!


次回予告

いよいよ最終サンプルを決めていきます。デザインだけでなく、生地仕様も決めます。

生地は価格だけでなく、赤ちゃんにとって優しいものでなければなりません。それらのことを考えながら決めていきます。


このホームページで企画経過を全て報告します。

前回までの内容はこちらで確認してくださいね。

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