立ち会い出産、後悔しないためにすること

立ち会い出産

出産が近づくと、分娩室にパパも付き添う「立ち会い出産」にした方が良いのか、それともしない方が良いのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

今回は「立ち会い出産」を悩んでいるご夫婦のために、そのメリットやデメリット、そして注意することをまとめましたので、参考にしてください。

 


メリットは何といっても安心感と感動

 昔は女がひとりで頑張って耐えたお産。でも今は、夫婦二人で力を合わせて子どもの誕生の瞬間を迎えたい、というご夫婦が増えていて、現在では、約50%以上の夫婦が立ち会い出産を選択しているそうです。(※1)

 妊婦にとっても、ひとりで孤独に痛みに耐えるより、夫がそばにいて励ましてくれたり、腰をさすってくれたりする方が、はるかに安心感があります。痛くて、せっかく練習した呼吸法も忘れて、大声で叫んでいたら、夫が「もう少しだ、がんばれ!」と声をかけ続けてくれたため、パニックに陥らずに無事出産できた、というケースもあります。

 命が誕生する瞬間はとても感動的ですので、父親ならなおさらだと思います。生まれたばかりのわが子を初めて胸に抱けば、いとおしさがこみ上げて、パパも父親としての自覚を強く持つようになるでしょう。ふたりでたいへんなお産を乗り越えたことで、夫婦の絆もいっそう強まるに違いありません。

 


まずは夫婦で話し合う

 立ち会い出産は、このようにメリットがたくさんありますが、その反面注意しなければならないデメリットもあります。

「みんな立ち会ってもらっているから私も」「今は立ち会いがブームだから」などの理由で安易に決めてしまうと、あとで「こんなはずではなかった」と後悔することにもなりかねません。

 立ち会い出産は、ふたりがそれを心から望んでいることが大前提です。父親の義務だからといって、気の進まないパパを無理やり立ち会わせたりすると、その後の夫婦仲が悪くなったり、女性として見られなくなったことによる性交渉が出来なくなるケースもあります。パパの性格をよく見極めながら、2人でよく話し合って、納得した上で立ち会ってもらいたいと思います。

 遠方での里帰り出産を選択したり、パパのお仕事の事情から立ち会い出産が難しい場合など、家庭によって事情はまちまちです。たとえ立ち会い出産を選ばなかったとしても、夫婦の愛情が薄いというわけでもありません。

2人でじっくりと話し合った結果、立ち会い出産を選ばなかったとしてもそれも、立派な出産の準備と言えると思います。

 


施設によって立ち会い方が違う

 最近では多くの病院で立ち会いができるようになっています。ラマーズ法などを実施しているところでは、パパの立ち会いを積極的にすすめるところも多いようです。

 ただし、同じ立ち会いでも、内容は産院によってそれぞれ異なります。たとえば、妊娠中から夫婦そろって両親学級を受けて、お産の知識や呼吸法をしっかり勉強することを条件にしている産院もあれば、前もって何もしなくても立ち会わせてくれるところもあります。

 助産院などでは、付き添ったパパがママの体を支えたり、いっしょに呼吸法をしたりして、夫婦一体となってお産に取り組みます。なかにはパパにへその緒を切らせてくれるところもあります。

 カメラやビデオでわが子の誕生の瞬間を撮りたいと思う人もいるでしょう。これも許可してくれるところと、そうでないところがあります。何を希望し、それをどこまで聞き入れてもらえるのか、事前によく確認しておきましょう。

 


立ち会うときに気を付けること

 立ち会う場合は最低限のマナーを守りましょう。職場からあわただしく駆けつけて、生まれる瞬間にかろうじて間に合った、などというのも立ち会いには違いありませんが、できればお産の最初からそばについていてあげるのが理想です。

 呼吸法をフォローすることは大事ですが、ママが自分のペースで集中しているときに、そばでうるさく口出しされたりすると、かえってわずらわしいものです。あくまで主役はママと赤ちゃんなので、励ましが必要なときと、だまって見守っていたほうがいいときの見極めも重要でしょう。

 写真やビデオ撮影は将来、家族の素敵な思い出になります。でもあまりに夢中になり過ぎて、医師や助産師の作業の邪魔にならないよう注意します。またママ自身も気が散ってしまって嫌がる場合もありますので、ママの気持ちを最優先にしてほしいと思います。

 


「立ち会い出産」でパパができること

●父親学級や両親学級に参加して、出産に対する知識を持つ

●呼吸法をマスターしておく

●陣痛が始まったら間隔を記録して、病院に行くタイミングを見極める

●のどが渇くので、飲み物を用意する

●おなかが空いたときのために、簡単に食べられるパンやおにぎりを準備する

●陣痛室では、ママが少しでも楽になるように、体を支えたり、腰をさすったり、足をマッサージしてあげる

●痛みの強いときは、手を握って安心させてあげる

●収縮の波が去ったら、できるだけリラックスさせてあげる

●写真やビデオでママや生まれたばかりの赤ちゃんを撮る

●無事お産が終わったら、ママをねぎらってあげましょう

 


さいごに

 いざ出産が始まっても突然帝王切開に切り替わったり、予定日より前に突然破水してしまうなど、出産にはハプニングも多いものです。

 予定していた立ち会い出産をあきらめることになったとしても、妊娠中の時期から二人でしっかり話し合っておけば、大丈夫です。たとえ立ち会いではなくても、がんばって出産に挑めるよう応援してくれるパパがいることに変わりはありません。そんな二人の考えを尊重して迎える出産はきっと素敵なものになると思います。

 

 

【参考文献】

※1)「母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査」厚生労働省


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