ミルクや母乳だけを飲んでいた赤ちゃんが、初めて離乳食を口にする時は、ちゃんと食べてくれるかどうか本当にドキドキしてしまうものですよね。子どもの体をつくっていく離乳食については、うまく進められなかったり、食べムラや好き嫌い、遊び食べがあったりと、「どうして?」と悩んでいるママも多いのではないでしょうか。そこで今回、ベビニティーズライターの和田美恵さんに、離乳食を始めたばかりのママに向けた進め方アドバイスを取材してもらいました。厚生労働省が12年ぶりに改定した「授乳と離乳の支援ガイド」を参考にしています。
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授乳と離乳の支援ガイドとは?
まずは、「授乳と離乳の支援ガイド」とは、2007年に厚生労働省が作成した、妊産婦や子どもに関わる保健医療従事者に向けて基本的事項をまとめたものです。作成してから10年がたち、多くの科学的知見や授乳や離乳を取り巻く社会環境の変化を踏まえて、授乳・離乳を通じた育児支援の視点を重視して、2019年3月に12年ぶりに改定となりました。
離乳食に関しては、離乳開始の時期や、栄養管理、食物アレルギーの予防に関する情報など、妊娠中から離乳の完了までの各時期に必要な情報を掲載しています。
厚生労働省「授乳と離乳の支援ガイド」
全文を読んでみたい人はこちらをどうぞ。
「授乳と離乳の支援ガイド」による、離乳開始の時期について
開始時期の子どもの発達状況の目安としては、首のすわりがしっかりして寝返りができ、5秒以上座れる、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる(哺乳反射の減弱)、食べ物に興味を示すなどがあげられる。その時期は生後5~6か月頃が適当である。ただし、子どもの発育及び発達には個人差があるので、月齢はあくまでも目安であり、子どもの様子をよく観察しながら、親が子どもの「食べたがっているサイン」に気がつくように進められる支援が重要である。
とあります。
生後5~6か月頃が離乳食開始の時期の目安ですが、個人差があるのであせらなくても大丈夫。家族が食事をしている様子を見せるとよだれが出てくる、などのサインがあればスタート時期も近いですね。離乳食の進め方については、保健所や各自治体の保健センターなどで講習会を行っていることが多いので、自治体の広報紙や集団検診の際の配布物などをチェックしましょう。
同ガイドによると、離乳について
子どもの食欲、摂食行動、成長・発達パターン等、子どもにはそれぞれ個性があるので、画一的な進め方にならないよう留意しなければならない。(途中省略)子どもの個性によって一人ひとり、離乳食の進め方への反応も異なることから、離乳を進める過程で数々の不安や課題を抱えることも予想される。授乳期に続き、離乳期も母子・親子関係の関係づくりの上で重要な時期にある。
とあります。
離乳食はその子なりのペースで進めていければよく、離乳期の食事は「栄養をとる」だけでなく「食べる楽しみ」を学ぶ場でもあります。離乳食は“とにかく食べさせなきゃ”という気持ちが強く、自分は一緒に食べる余裕がないというママも多いと思いますが、パパがいる時や、片手でちょっとつまめるものがある時など、なるべく一緒に食べてみましょう。
手づかみ食べは、食べる意欲もUP!
手づかみ食べのあとは、食卓の周りはもちろん、子どもの手も顔もあちこちがベタベタ……。ママにとっては後片付けが大変ですが、それでも手づかみ食べは、子どもにとって通らなくてはならない道です。
先述のガイドでは、
手づかみ食べは、生後9か月頃から始まり、1歳過ぎの子どもの発育及び発達にとって、積極的にさせたい行動である。食べ物を触ったり、握ったりすることで、その固さや触感を体験し、食べ物への関心につながり、自らの意志で食べようとする行動につながる。子どもが手づかみ食べをすると、周りが汚れて片付けが大変、食事に時間がかかる等の理由から、手づかみ食べをさせたくないと考える親もいる。そのような場合、手づかみ食べが子どもの発育及び発達に必要である理由について情報提供することで、親が納得して子どもに手づかみ食べを働きかけることが大切である。
とあります。
大人にとっては、手でものをつまんで口に入れるという行為は当たり前にできますが、幼い子どもにとってはなかなか難しいことです。手指の機能が発達しないとうまくつかむことはできないので、繰り返しやることでだんだんと上手になってきます。何より、ママからの「あ~ん」ではなくて、自分で「食べてみたい」という気持ちがあることをうんとほめてあげたいものです。
また、手づかみ食べの時期は、手でつかめる大きさの小さいおにぎりや、野菜のスティックなど、汁気がないメニューがおすすめ。片付けはテーブルの下にレジャーシートを置いて食べこぼし対策をする、長袖タイプのお食事エプロンなどを利用する、など工夫してみてくださいね。
食べない時には、環境をかえてみては?
食べ物を “ポイッ” と投げたり、手でぐちゃぐちゃに混ぜたり、口から出したり、テーブルの上からお皿を落としてみたり、ついついママもイライラしてしまう遊び食べ。思わず感情的になって、大きい声で叱っても、怒られている理由が子どもには全く伝わっていないことがほとんどです。むしろ怒られたことで、ますます食べなくなってしまうこともあります。
そんな時は、食べる環境を変えてみることをおすすめします。
例えば…
- 「一度ごちそうさまをしようね」と言って、食事の席からおろし、食事を中断する。
- ピクニックのように公園や施設などの屋外で食べてみる。
- 決まった時間に食事を食べるようにし、外遊びでしっかりおなかを減らしてから食べる。
遊び食べの時期は、一生のなかでもほんのわずかな時間です。いずれ幼稚園や保育園などの集団生活に入った時には、そういった遊び食べもなくなっていきます。ぜひおおらかな気持ちで見守って、家族で楽しい食事の時間を過ごしてくださいね。
ライター:和田美恵
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