★ベビーグッズ・コンシェルジュの白石佳子です。
マタニティからママを対象に、育児用品の選び方や使い方講座を開催しています。
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お産はママと赤ちゃんが二人三脚で作り上げていく人生最高のドラマです。
今から不安なプレママも多いと思います。赤ちゃん誕生までの流れをお伝えしますので、シュミレーションしておきましょう。
そして、落ち着いて本番の日が迎えられることを祈っています。
お産の開始と進行には、「子宮収縮」「胎児の回旋」「産道」という
3つの要素が協同する、生命の不思議で感動的なメカニズムが働いています。
ママの子宮は適度に収縮して、赤ちゃんが産道を通るのを助けます。
赤ちゃんは産道に合わせて、頭と体を回転させながら進んでいきます。
そして、ママが十分にリラックスするとき、子宮がやわらかく開いて、
赤ちゃんはスムーズに産道を進むことができるのです。
シーン1 自宅
ほとんどの人は「陣痛」でお産が始まります。その前に「おしるし」がある人もいます。初めてのお産はゆっくりペースで進みます。なかには「破水」で始まる人もいますが、落ち着いて症状を観察したうえで、病院に連絡しましょう。
<お産開始3つのサイン>
お腹が痛い! 陣痛?
血液の混じったおりものが! おしるし?
生温かい水が流れ出た! 破水?
【陣 痛】
どんなもの?
下腹部が「張る」のではなく、「痛い」のが陣痛です。痛い⇒痛みがなくなる⇒痛い、というように、周期的に痛みが来ます。個人差はありますが、陣痛の始まりは、強いときの生理痛と同じぐらいの痛みと思ってください。また、腰が痛くなる人もいます。
その後どうなる?
初め感覚は不規則ですが、徐々に規則的になってきます。一般的には、初産婦・経産婦ともに10分おきの陣痛がお産開始ですが、ピッタリこの間隔でなくても、20分〜30分おきに周期的に来れば陣痛と考えましょう。
※陣痛がきたら間隔をメモしておきましょう。
- 何分おき?・・・ギュッと痛むのを1回として「正」の字をメモします。
- 持続時間は?・・・秒針のある時計で何秒くらい痛みが続くか測りましょう。初めは20〜30秒ぐらいです。
【おしるし】
どんなもの?
お産が近くなると、子宮壁に接している卵膜が少しずれます。ここからほんの少量の出血がおしるしです。粘液栓といって、これまで子宮口をおおっていたゼリー状のおりものに混じって出ることが多いでしょう。おしるしの出血量には個人差があり、おしるしがない人もいます。
その後どうなる?
おしるしから1〜2日で陣痛が来る人が多いでしょう。しかし、他の原因による出血かもしれません。出血や血液の混じったおりものに気づいたら、量の多少にかかわらず、また、陣痛がなくても受診しましょう。
出血の色や量を観察しておきましょう。
- 茶色? 赤い鮮血?・・・「おしるし」というぐらいなので「一滴」ぐらいのこともあります。少量なら色は茶色系で、多量の時は赤い鮮血になります。
- 量は?・・・下着にほんの少しつく程度だったり、生理の初日ぐらいのときも。病院に電話すると聞かれることがあるのでメモしておきます。
【破 水】
どんなもの?
胎児を包む卵膜が破れて中の羊水が流れ出ることです。ふつうは陣痛が始まって子宮口が全開大するころに破水しますが、早期破水といって、陣痛開始前に破水することもあります。少量だと迷うかもしれませんが、違ってもいいので、必ず病院へ行きましょう。
その後どうなる?
少量の破水でも、病院では破水検査薬で破水かどうかが分かります。破水ならそのまま入院になります。破水後は自然に陣痛が来ます。羊水や胎児への感染予防のために、抗生剤を使いながら陣痛が来るのを待ちます。
水の量を観察して伝えましょう
- 下着がぬれる程度か、どっと流れるぐらい大量かなどを病院に伝えます。下着がほんの少しぬれたぐらいで止まったときは、その下着を持っていきましょう。
★心がけること
妊娠37週になったら入院の準備を
妊娠週数が正確な場合は、妊娠38〜39週にお産になる人が多いようです。妊娠37週になったら、いつ陣痛が始まってもいいように、事前に入院準備を万全にしておきましょう。
陣痛はほとんどが夜中に始まります
陣痛の開始には副交感神経(自律神経)が関係しています。副交感神経は夜間に優位になるので、夜中の午前2〜3時ごろに陣痛が始まる人が多いのです。妊娠38週ごろからは枕元に時計を置いて寝るようにしましょう。
入浴より受診を先に
破水、出血のときは入浴、シャワーどちらも控えて病院に連絡します。陣痛だけの人も、まず受診を優先しましょう。
家族が付き添いましょう
お産は思いのほかに早く進んだり、ときには緊急帝王切開になるケースもあります。手術には家族の同意書が必要なので、パパや実家のお母さんなどひとりは同行してもらってください。
★起こりがちなこと
外出先でお産開始サインが始まった
自宅以外の場所、たとえば職場や歩行中、乗り物の中などで破水したり、陣痛が始まったときも、まずは落ち着いて。妊娠37週以後は万一の破水に備えて、生理ナプキンや清潔なタオルなどを常に携帯しておきます。破水したときは、それらで手当しながら病院へ電話、そのまま直行します。破水量が多量でタクシーなどを利用できないときは救急車を呼びます。
初産婦の場合、急激に陣痛が強くなることはまれですが、お腹が痛くなったら病院に電話して「一度帰宅してから受診」「帰宅せずに受診」などの指示をもらいましょう。ただ、なかには非常に早くお産が進むことがあります。かがみこんでしまうほどの痛みなら救急車を呼びます。
シーン2 診察⇒入院
内診やNST(ノンストレステスト)などの入院診察を受け、お産が始まっていれば入院になります。お産の進み具合によって、入院室ではなく陣痛室に入る場合もあります。
<入院の条件>
前駆陣痛は?⇒ある
陣痛の間隔は?⇒10分おき
破水は?⇒している
外来受付
お産を扱う病院は24時間体制で診察を受け付けています。夜間の場合は夜間受付や専用出入口から入ったり、カギを開けてもらうなどするので、前もって聞いておきましょう。診察券・母子健康手帳・健康保険証は受付に提出するか、応対のスタッフに手渡します。
↓
入院診察
お産開始かどうか、始まっている場合はどのくらいお産が進んでいるかを診ます。お産が始まっていて入院と決まると、いつもの妊娠健診と同じ基本の検査を受けますが、検査内容は病院によって多少違います。
↓
入 院
これから受ける処置の内容や、スケジュール、設備などについて説明を受けます。
お産セットを購入・・・最近は、お産パッドやT字帯など、お産や入院に必要なものは一式になっていて、入院時に購入するシステムの病院が多くなっているようです。
入院室に案内されます・・・分娩予約時の申し込みに応じて部屋が決まり、案内されます。持参した入院着に着替えますが、病院が用意する場合もあります。
入院スケジュールは経膣分娩、帝王切開で違うので、その説明を受けます。
設備の説明があります・・・ナースコール、テレビ、冷蔵庫、シャワールーム、電話の使い方などの説明を受けます。
血管確保のために点滴をつけます・・・陣痛促進剤などの薬が必要になったときのために、あらかじめ点滴をセットしておくことを「血管確保」といいます。初めは水分調整の生理的食塩水を少量ずつ点滴します。
★心がけること
お産の流れをイメージしてみましょう
子宮口が開き、赤ちゃんが下降してきます。やがて赤ちゃんが誕生して喜びの対面です。お産には必ずゴールがあると思うと、精神的にゆとりが出てくるでしょう。赤ちゃんには、「一緒に乗り越えよう」と話しかけてあげましょう。
リラックスして過ごしましょう
子宮口が全開大するまで初産婦では10時間ぐらいはかかります。特に前半の5時間ぐらいは、ゆっくり進みます。神通の痛みもあまり強くないので、病院内をいろいろ見学したり、家族と談笑するなど、一番リラックスできることをしながら過ごしましょう。
携帯電話の電源は切りましょう
談話室などではOKという病院もあるようですが、医療機器のある院内では、原則、携帯電話は使用禁止です。入院室で外線電話を使える病院もありますので、使い方の説明を受けましょう。
指輪は外しましょう
指輪は指がむくんでとれにくくなったり、痛くなることもあるので早めに外しておきましょう。コンタクトレンズは、お産の途中でメガネに変えるよう指示されることもあります。
薬の内容をよく理解しましょう
点滴や内服薬など、薬を使うと言われた場合には、使用目的や薬の内容をよく聞き、きちんと理解するようにしましょう。
食事や飲み物は医師の指示に従います。
入院後は病院の食事やおやつが出ます。無理せず、食べられる範囲で食べましょう。お産の経過によって、帝王切開が予測されるときは「絶飲食」の指示が出る場合もあります。
★起こりがちなこと
お産開始がまだだった or お産がかなり進んでいた
陣痛ではなかった、破水ではなかった、おしるしだけど陣痛がまだという場合、一度帰宅するように言われる場合があります。どんな症状があったら再受診するかなど、よく説明を受けてから帰宅しましょう。また、入院したほうが安心できるようなら、その旨を率直に医師に伝えて相談してみましょう。
シーン3 陣痛室・入院室
子宮口全開大までは、初産婦で10〜15時間、経産婦で5〜7時間ぐらいかかります。分娩第1期の前半は陣痛の痛みは比較的軽く、後半にはかなり強くなり、いきみも出てきます。初産婦は前半が長くかかります。リラックスして過ごしましょう。
分娩第1期(子宮口全開大まで)
分娩第1期は前半期と後半期があります。
陣痛が強くなってきたら呼吸法を始めます。
陣痛が遠のく間欠期には体の力を抜いて
お産の進み方
<このころの赤ちゃん>
先頭になった硬い頭で子宮口を押し広げながら、陣痛の力で少しずつ下がってきます。
<このころの陣痛>
子宮口が5cm開くまでの前半期はおよそ5〜6分間隔、それ以後の後半期はおよそ2〜3分間隔になって痛みも強くなります。
陣痛の乗り切り方
呼吸法
比較的痛みの軽い前半期は、陣痛が来たらゆっくり吸って深く吐く深呼吸を、痛みが強くなりつらくなってきたら、できるだけ長く息を吐く呼吸法をします。全開大近くなると肛門のあたりがグッと盛り上がるような「いきみ」が出てきます。全開大まではいきめないので、いきみを逃す呼吸法をします。陣痛が来たら「ふ〜〜〜」と息を吐きながら、「うっ」と軽く肛門方向に向けて息を抜きましょう。
ラクになる姿勢を工夫
ベッドの上で脚を軽く曲げて横向きになったり、ベッドの背もたれを高くしてサイドテーブルなどに腕を置いて前かがみになったりと、自分なりにラクになれる姿勢を工夫します。
★この時期に受ける医療処置
子宮収縮の測定・・・分娩監視装置で陣痛の強さと間隔を測ります。お腹にセンサーをつける外側法と、人工破膜してセンサーを子宮内に挿入する内測法があります。
胎児心拍数モニタリング・・・赤ちゃんの心拍数を診て苦しくないことを確認します。お腹にセンサーをつける方法と人工的に卵膜を破って胎児の頭に電極をつけて直接心電図をとる方法があります。
人工破膜・・・陣痛が弱い時や子宮収縮の内側、胎児心電図をとるときに、人工的に卵膜を破ることがあります。
★心がけること
呼吸法は医療スタッフの指示で始めます
あまり早く呼吸法を始めると過呼吸になったり、疲れてしまいます。指示が出てから始めましょう。
陣痛の間欠期には十分リラックスを
陣痛は寄せては返す波のようなもの。陣痛と陣痛の間には、必ず陣痛が遠のく間欠期があります。痛みの波が引いたらすぐに呼吸法をやめて、体から力を抜き、リラックスして次の陣痛に備えます。間欠期のないときや短いときは必ず知らせましょう。
不安な時は付き添いを頼みましょう
不安感が強いと、痛みをより強く感じて陣痛が弱くなる心配もあります。家族がいるとリラックスできるときは、そばにいてもらいましょう。医療スタッフに、そばにいてほしいと頼むのもいいでしょう。
トイレはナースセンターに連絡してから
歩いていける間は自分でトイレに行きますが、破水や出血の可能性もあるので、ナースセンターに知らせてから行きましょう。
症状が変化したらナースコールを
痛みが強くなって我慢できな、破水したなど、症状に変化があったら、必ずナースコールをして知らせましょう。
★起こりがちなこと
緊張で体が硬くなる⇒息を吐いて力を抜く
息を吸う時より吐いた時の方が、体の緊張がとけます。息を吸おう、吸おうとしないで、まず「ふ〜〜」と息を吐きます。息を吐くと必ず吸うので、呼吸が苦しくなる心配はありません。
陣痛が痛くてイヤ!⇒お腹の赤ちゃんをイメージ
陣痛はママだけが痛いのではありません。赤ちゃんもギュッとおされています。「イヤ!」と投げやりにならずに、赤ちゃんがママと一緒に耐えている様子をイメージしましょう。ママがリラックスすると、赤ちゃんに酸素がいっぱい届きます。
いきみ逃しがうまくできない⇒医療スタッフにリードを依頼
呼吸法がうまくいかないときは遠慮なく、医療スタッフに頼みます。分娩監視装置で陣痛がくるのがわかります。「そろそろきますよ」と声をかけてもらい、「ふ〜〜〜、吐いて。今よ、うっと軽く息を肛門の方に抜きましょう」など、具体的にリードしてもらいましょう。
シーン4 分娩室
初産婦で1〜2時間、経産婦で1時間ぐらいです。子宮口が全開大したら、陣痛と同時にいきみをかけて、胎児の娩出を助けます。胎児の頭が出るときは、会陰裂傷が起こらないように、短息呼吸に切り替えます。
分娩第2期(胎児娩出)
子宮口全開大から胎児が誕生するまでです。
子宮口開大8cmぐらいで陣痛室から分娩室に移動します。
陣痛と同時にいきんで胎児娩出を助けます。
お産の進み方
<このころの赤ちゃん>
全開大した子宮口から出て膣へと進んでいきます。赤ちゃんの頭が見えたり引っ込んだりする排臨から、見えたままの発露になり、頭、肩、全身が出てきます。
<このころの陣痛>
このころの陣痛が一番強く、また強いいきみを伴います。しかし、胎児娩出と同時に陣痛はウソのように消えます。
陣痛の乗り切り方
子宮口が全開大したらいきみを開始
子宮口が全開大すると、これまでより強いいきみが出てきます。医療スタッフの指示が出たら、陣痛の波に応じていきみます。陣痛が来たら一度深呼吸します。次に軽く息を吸い、そのまま息を止めて、肛門に力を入れる感じでいきみます。
胎児の頭が出るときから短息呼吸を
胎児の頭が膣から見えたままの状態(発露)になり、頭が出る時から短息呼吸に切り替えます。医療スタッフの指示が出たら、両手を胸において、「はっはっはっは」と浅く短い呼吸を繰り返します。
★この時期に受ける医療処置
人工破膜・・・通常子宮口が全開大すると、胎児の頭で卵膜が押されて破水します。しない場合には、卵膜を人工的に破って破水させます。
会陰切開・・・会陰部が十分に伸びないと、胎児の頭が出てこられずに、陣痛のたびに強く圧迫されます。特に初産婦は会陰が伸びにくいので、会陰切開をして早く出してあげることが多いようです。
★心がけること
いきむときはあごを引きましょう
あごを引いて背中を分娩台にピッタリつけるようにすると、上手にいきます。少し背中を丸める感じにするといいでしょう。
軽く力を込める程度にいきみます
赤ちゃんは基本的に陣痛の力で十分下がってきます。いきみはそれを助ける補助です。顔が真っ赤になるぐらい力いっぱいいきまなくても、軽く「う〜ん」といきむだけで大丈夫です。
★起こりがちなこと
うまくいきめない⇒肛門の方向へ力を
いきむとき力がはいらない⇒間欠期に休息を
シーン5 分娩室
赤ちゃんが誕生すると同時に陣痛はウソのように消えます。赤ちゃんも誕生から2時間はパッチリ起きている覚醒期。抱っこして語りかけたり、おっぱいを吸わせてあげましょう。
産後2時間は出血量などを観察するため、分娩室で過ごします。
分娩第3期(後産期/胎盤娩出)
胎児娩出から胎盤が出るまでをいいます。
一度消えた陣痛が再び軽く起こります。
★この時期に受ける医療処置
子宮収縮剤・・・胎児娩出と同時に、胎盤が早く娩出され、出血量も少なくてすむように、点滴で子宮収縮剤を投与することもあります。
胎盤娩出術・・・自然な後陣痛を待っていると時間がかかり、出血も多くなるので、医師が軽く胎盤を引っ張る胎盤娩出術を行います。
会陰切開の縫合・・・会陰切開を受けたママは縫合を受けます。局所麻酔をするので痛みはありません。
赤ちゃんの計測・・・身長、体重、頭囲、胸囲などの身体計測や外表奇形などのトラブルがないかなどの診察を受けます。
★起こりがちなこと
出血が多い⇒子宮収縮剤・止血剤
子宮収縮が悪い、分娩外傷などで出血量が多い場合には、子宮収縮剤のほかに止血処置を行ったり、下腹部に氷などを当てて、子宮を冷やすことがあります。
体内に小さな命が宿ってから266日・・・。
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